有明堂本舗

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TRPG『クラヤミクライン』へシナリオを移植しよう〜その1

ボドゲTRPGに激ハマりしている有明堂でございます。ごきげんよう

さて、先月購入したTRPG『クラヤミクライン』のサンプルシナリオ4つを使い切ってしまったので、作者あべべんさんが同人で製作していたゲーム『THE FIFTEEN』からシナリオ移植をしてみたよ。

ヤミクラなのに選択肢カードを1枚も使っていない!システムガン無視!!

というわけでぼくとこれからセッションする予定のあるひとは、ネタバレになるから読まないでね。

 

『THE FIFTEEN』も8月にアークライトから商業発売されるよ!たのしみ!

『のびのびTRPG』のスチームパンクも8月に出るね!

 

※テストプレイもしないで記事にしています。エラッタ案件があればお知らせいただけますと幸いです。

 

 

ヤミクラシナリオ「THE FIFTEEN:機械仕掛けの神話生物」

 

※ このシナリオは、『クラヤミクライン』作者のあべべん氏が所属するサークル「奇卓部」のゲーム『THE FIFTEEN』の、あべべん氏がGMを行っている紹介プレイ動画からプロットをお借りし、ヤミクラのシステム用にアレンジ・加筆したものです。

※判定やダメージ、細かなルールについて、だいぶアレンジを加えています。タイトルも勝手につけたものです。

※ 元動画:【奇卓部】15分間の生還に挑め!『15(The FIFTEEN)』【TRPGhttp://www.nicovideo.jp/watch/sm26080779

 

※凡例1:行頭に※があれば判定や分岐処理などのGM処理、なにもなければカードのテキストまたは場面描写です。文中の[]も判定や処理です。

※凡例2:太字ではじまる見出しはカードの見出しを表しています。

例:序0物品〈銃〉a カーペット、など。

※判断にこまる記述があった場合は、進行役の裁量で決めていただいてかまいません。

 

特殊な条件

 

◯ 時間の経過と主人公の行動

・ このシナリオでは、主人公が一回行動をするたびに30秒が経過したものとみなし、15分が経過した時点でゲームオーバーとなる(プレイヤーは全員合計で30回行動できる)。

・ 本章・終章ともに、主人公はひとりずつ順に行動する。

・ 基本的には、怪異の攻撃や行動で時間が経過することはない(進行役の裁量で経過することとしてもよい。たとえば1ラウンドで30秒など)。

・ 戦闘中は1アクションで30秒経過するものとする。難易度が高すぎると感じる場合は、進行役の裁量で「1ラウンドで30秒経過」などにしてもよい。

 

◯ 章の進行

・ このシナリオの本章では、 最初からa〜gの7枚のカードを配置する。

①主人公が各カードの位置でそれを調べ、

②判定に成功し(調べる宣言だけのものもある)、

③ウラが開示されること

でシナリオが進行する。調べる順番は順不同でかまわない。オモテのカードは何度でも調べて判定することができる。

※ [推奨]カードのところに主人公を示すポーンなどを置いておくと、どこに誰がいるのかわかりやすい。

・ 2枚のカードの「ウラ」が開示されるごとに、1章が経過したものとみなす。 1章が経過するたびにリスク処理(侵食2点2回、3点1回)。それから幕間作成を行う(2回まで)。本章は最大で3章構成・幕間2回となる。

※「15分で脱出しなければならないこと」は主人公たちは最初から気づいている。調べる・RPする必要はない。

・ 「コンピュータにメモリを挿す」の条件を満たすと、章の進行にかかわらず場面描写ののち終章へ移行する。本章の進行が早すぎて幕間作成が発生しない場合、進行役の裁量でツナガリを取得させてよい。

 

序章

 

序オモテ

あなたは普段生活している場所にいる。今まさにパソコンの電源を入れようとしているところだ。 すると突然視界が混濁し、ずるずると泥のように意識が遠のいていってしまう。

 

序ウラ

あなたが目を覚ますと、 そこは壁も床も白い不思議な素材でできた、無機質な部屋だった。中は強盗にでも荒らされたかのような惨状であり、所々の床が妙にベタついている。──あなたは直感的に理解した。この部屋は長くはもたない。一刻も早く逃げ出さなくては。そう……なんとしても、15分以内に。

 

※ここで主人公は、互いにひとつツナガリを獲得できる。

 

本章

 

1章オモテ

何とか脱出する方法を探さなくては──室内には、カーペット・額縁・扉・穴・時計・テーブル・棚がみえる。なにか見つかるかもしれない……とにかく調べてみよう。リスク:侵食2点

 

a カーペット

オモテ:ザラザラとした薄いカーペット。

めくる宣言のみでOK(判定なし)、ウラへ。

ウラ:めくると、巨大な円形の窓が現れる。眼下には無数の星々が輝いている。すると窓の向こうで、影が横切った。歯車と粘液と鉄骨が組み合わさった、悪趣味なオブジェ。それが突如として生き物のように蠢くと、内側から現れた目がギョロリとこちらを見つめた。

※[判定:精神]成功:なにもなし。失敗:侵食4点(そばにいる主人公すべて)

 

b 額縁

オモテ:スチール製の枠に、大きな鏡が2枚はまっている。

※動かす宣言のみでOK(判定なし)、ウラへ。

ウラ:手をかけて動かすと、簡単に外れた。裏には「disposable(使い捨て)」の文字とともに、鏡を両替に構えてレーザーを跳ね返しながら走る絵が描かれている。

※物品〈鏡〉を入手。

 

物品〈鏡〉

裏には「disposable(使い捨て)」の文字とともに、鏡を両側に構えてレーザーを跳ね返しながら走る絵が描かれている。

 ※[追加判定:頭脳]

 

※[判定:頭脳]で成功すると情報追加:とてつもなく小さい文字で「Maybe」と書いてあることが分かる。

 

c 扉

オモテ:厚いガラスでできた扉。

※調べる宣言のみでOK。ウラへ。

ウラ:あなたが近づくと、扉はスライドして開く。自動ドアのようだ。向こう側には通路が広がっており、赤いレーザーが無数に壁と壁を結んでいる。

 

※扉に入る:

〈鏡〉なし→[判定:肉体×4/再判定]

成功:脱出(ゲームから離脱

失敗:無数のレーザーによってバラバラにされる(破滅)。

 

〈鏡〉あり→[判定:肉体×2/再判定]

成功:鏡は粉々に砕け散るが、間一髪のところで、あなたは部屋に戻る。

失敗:鏡はレーザーを防ぐことなく砕け散り、あなたの体を貫いた(破滅)。

 

d 穴

オモテ:床には大きな穴が開いている。フチは溶けた金属と何かが混じり合い、異様な色合いと悪臭を放っている。穴の中は延々と下に続いているようで、パイプ・配線・鉄骨などがむき出しになっている。また、いたるところにべっとりとした粘着質の物体がこびりついている。

※[判定:頭脳]成功:ウラへ。失敗:成果なし(アクシデントなし)。

ウラ:この穴は、強い溶解液によって開けられたものだ。触れてはならない。よく見るとショートした配線の近くで、粘着質の物体が焼け焦げている。

 

e 時計

オモテ:大きなデジタル時計があり、その画面が点滅している。画面の下には配電盤のようなパネルがある。力を込めればこじ開けることができそうだ。

※[判定:肉体]成功:ウラへ。失敗:成果なし(アクシデントなし)。

ウラ:パネルの戸を引き上げると、中にはICチップや配線が詰まっている。しかしそこは、すべてねっとりとした薄桃色の粘液で覆われていた。粘液の中、不自然にビニールで包まれた、なにかのメモリのようなものを発見する。

※物品〈なにかのメモリ〉を入手。

 

物品〈なにかのメモリ〉:見たこともない形状をしているが、どうやら先端は接続端子であるらしいことはかろうじてわかる。

 

f テーブル

オモテ:オブジェのようなものが置いてある。白く滑らかな球状だが、表面にはいくつもの奇妙な突起と穴がある。 

※[判定:精神]成功:ウラへ。失敗:成果なし(アクシデントなし)。

ウラ:テーブルの上にあるオブジェ。これは極めて異形ではあるが、コンピュータの一種のようだ。

※[追加判定:任意の能力]主人公は進行役を説得できれば、任意の能力でコンピュータを調べることができる(くまなく触る[肉体]、第六感が働く[精神]、つぶさに観察する[頭脳]etc…)。

→ 成功:このコンピュータには奇妙な形の接続端子があることがわかる。

 

g 棚

オモテ:固い金属製の棚だ。切り裂かれ、潰され、端に据え付けられた金庫以外まともな部分は残っていない。金庫には「EMERGENCY」と書かれており、小さな赤いボタンがついている。やはりダメージを受けているのか、ボタンからは絶えず火花が散っている。

※押す:ボタンを押すと、稲妻のような電流が体を突き抜け、吹き飛ばされる。侵食:1D4(そばにいる主人公すべて)

※[場面描写]ボタンを押したことで金庫が開く。

ウラ:金庫の中には、いくつもの金属を組み合わせて作られた、L字型の物体がある。

※物品〈L字の物体〉を入手。

 

物品〈L字の物体〉

いくつもの金属を組み合わせて作られた、L字型の物体。

※[判定:頭脳] 成功:L字の物体は銃だとわかる。アイテム〈銃〉を入手。失敗:成果なし。

 

物品〈銃〉

戦闘時、所持者は怪異に与えるダメージが[自分の侵食の点数]ぶん増加する。ただし、使用するごとに侵食3点。これはクラヤミの能力と同時に発動できる。また、キャラクターが所有する〈武器〉と同時に使用できる。これは何度でも使用できる。

※〈銃〉はアクションを消費せずに受け渡してもよい。

 

※a~gのうち2枚のカードがウラがえるごとに、以下のカードを読み上げ、リスク処理と幕間作成を行う。幕間作成も切迫感をもった、言葉少ななものがよいかもしれない。

※主人公は全員同じ場面にいる。

 

2章オモテ

なんとか2つはわかった。この調子で調べていけば、活路が見いだせるかもしれない……リスク:侵食2点

 

3章オモテ

これで4つだ。あと半分ほど調べれば何かが見えるだろう。リスク:侵食3点

 

※終章移行の条件:〈何かのメモリ〉を〈コンピュータ〉に挿す[判定なし]

 

3章ウラ

コンピュータをくまなく探すと、メモリがはまりそうなくぼみが見つかる。そこへ挿してみると、低いノイズとともに読み込みを開始する。ブゥン……とノイズの音が響き渡ると、そこには── ※終章へ

 

終章

 

終章①の1 最後の戦い

穴の中から、巨大な何かが登ってくる轟音が聞こえてくる。そしてあなたの前に……おぞましいもの──機械生命体が姿を現した。それは、機械の部品が粘液により無数に絡み合い、結合し、異形の甲殻類のようなフォルムをしている。脚を思わせる鉄骨のアームが棚を砕き、金属の擦れる甲高い音とともに、先端に据え付けた巨大な丸ノコを回転させた。※終章①の2へ。

 

終章①の2 最後の戦い

※戦闘開始。戦闘終了の条件は、機械生命体「ミ=ゴ」の存在点を0にすること。

機械生命体のおぞましい姿を目にして、あなたは──

※[判定:精神]成功:何もなし。失敗:侵食3点

 

※戦闘開始時に〈銃〉を入手していない:棚が壊れ、L字の物体が現れる。アイテム〈銃〉入手。

 

※戦闘開始から1ラウンドが経過:終章②を公開。

 

終章② 最後の戦い

どうやらメモリの読み込みが完了したようだ。コンピュータにぼうっと「Go」の文字が灯る。扉に充満していたレーザーが消え、扉の向こうへ行けるようになる。

 

※機械生命体「ミ=ゴ」の存在点を0にした主人公:エンディングA

※[判定:肉体+頭脳/再判定]に成功し、ミ=ゴの横をすり抜けた主人公:脱出・戦闘離脱。エンディングB

※15分経過した:エンディングC(ゲームオーバー)

 

エンディングA

機械生命体はドロドロと音を立てて崩れ去り、機械の部品を繋ぎとめていた粘液は、ずるずると穴から出て行った。どうやら助かったようだ……。あなたは扉から出る──そこは見慣れた自室の、PCの前だった。あなたは安堵し、その場で泥のように眠り込んだ。たった15分足らずの出来事だというのに、全身は疲労感に支配されきっていた。

 

エンディングB

機械生命体の横を見事にすり抜け、あなたは扉へと全力で走る──光の先は、見慣れたあなたの部屋だった。呆然としながらあなたは窓の外を見やると、そこには淡桃色のねばねばがあったようにみえたが……あなたは全身の疲労から、考えるのをやめた──

 

エンディングC

15分が経ったと思われたその時、突如として窓に亀裂が走った。すべては吸い出され、あとには何も残らなかった。

 

真相①:〈怪異〉

この怪異は『ミ=ゴ』である。甲殻類に近い形状をしているが、実際のところは菌類に近い。機械などを取り込み自身の身体を形作る性質をもつ。本拠地は外宇宙、または異次元とみられている。地球では主に、山奥で資源の採掘を行っており、作業を優先しているため、自分から人間を襲うことはまれ。その身体構造から、防御力はさほど高くない。ニャルラトホテプとシュブ=ニグラスを信仰しているらしいという記録が残っている。

 

真相②:〈破滅者/元凶〉

この怪異の破滅者は『H. P. ラヴクラフト』である。宇宙的存在に感応してしまったことを爆発的な筆致で書き留め、死してなお怪異として異世界にとどめ置いている。破滅者が既に死亡しているため、怪異を完全に消滅させるには、異世界そのものを消す必要がある。今のところ異世界を消す方法はわかっていない。

 

真相③:〈消滅/退散〉

この怪異は「生命」としてデザインされているため、存在点を0にすれば死を迎える。ただし、特殊な菌類の形状から完全に殺し切るのは難しく、さらに死亡した破滅者の強い念で異世界に留め置かれているため、一時的に退散させるのが関の山だろう。扉から逃げることが最良の選択肢である。

 

真相④:〈脱出方法〉

扉のレーザーは、コンピュータに〈何かのメモリ〉を挿してプログラムを起動し、2分(1ラウンド)ほど待つことで停止する。レーザーが停止した扉は安全に通ることができ、部屋から脱出できる。レーザーをかいくぐって逃げることは非常に困難だ。

 

怪異

 

怪異名:ミ=ゴ

属性:生命

破滅者/元凶:P. H. ラヴクラフト

怪異レベル:4

存在点:120(3人)、160(4人)、200(5人)、240(6人)

基本攻撃:【肉体】

穢れ①:

原型【刃】、名称『一刀両断』、タイミング:先制、対象:1人、回避:全能力、禁則:代替・確保。

[ダイス1つ+怪異レベル]点のダメージを与える。回避は【頭脳】【肉体】【精神】でそれぞれ判定し、すべて成功しなければならない。

穢れ②:

原型【襲う】、名称『殲滅』、タイミング:後勢、対象:全員、回避:肉体、禁則:目標値上昇。

主人公に[怪異レベル+ダイス2つ]点のダメージ。回避に成功しても[怪異レベル]点のダメージ。