将棋をはじめるとき、しておくといいかんじな心の準備
将棋をはじめてみようとするとき、意識しておくといいことがいくつかあります。
これはプロ棋士の遠山先生もおっしゃっていることです。
書いたら長くなってしまったので、「雑に始めるんじゃなかったのか?」というかたは見出しだけ読んで、あとは飛ばして本編のほうを読んでみてくださいね。
いきなり経験者と指さない
将棋は水泳のトレーニングにかなり似ています。
将棋で「ルールと駒の動きを覚えた」という段階は、「プールに顔をつけられる」くらいなもんです。
それなのに経験者といきなりやろうとすると、「やっぱクロールくらいやってみせないといけないよな」とか力んで無理してしまうことになります。そうするとどうなるか。当然、溺れます。まだバタ足も覚えてないのに!クロールなんかできるわけないの!
そうなったらもう心が折れて、もう二度とプールになんか行かない=将棋は二度としない、となってしまいます。それはぜひ避けていただきたい。
アプリ「ぴよ将棋」で段階的に慣れる
そこでまずは、アプリに相手になってもらいましょう。オススメは「ぴよ将棋」です。
色んな強さのひとを集めるのはものすごくたいへんですが、アプリならボタンひとつでかんたん。自分より弱いアプリをぶっつぶして、まずは自信をつけましょう。
弱すぎるなと感じたら、少しずつレベルを上げて手強くしていきましょう。
最初から「うまく指そう」としない
アプリ相手になら何回「待った」をかけてもいい、と考える
アプリ相手なら気兼ねがいりません。まずい手を指してもばんばん「待った」したりして、良い手を探ったりできます。
考え込んで「最善の手を指さねば…」と思い悩むくらいなら、バンバン試してバンバン巻き戻しましょう。
負け慣れる。負けから学ぶ
将棋はフロムソフトウェアのゲームにも似ています。『ダークソウル』とかそういうやつ。つまり「死に覚えゲー」だということです。何度も何度もコンティニューしていくうちに、紙一重で突破できるようになっています。
そのうえ将棋は必ず勝敗が決まります。つまり、単純に割れば半分は負けることになります。
ついでに言えば、よほどでないと圧倒的な差をつけられて負けるということはないです。
だいたいはあと1手差でどちらかの玉が詰む、というスピード勝負になります。押せ押せで攻めてもギリギリの逆転負けをすることもしょっちゅうです。
となると負けから学ばないとめちゃくちゃ損です。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」というやつですね。負け慣れてくると、いっそ爽やかな気持ちになったり、相手の上手さに感心したり、素直に吸収したりできるようになります。
できれば一緒に始める初心者の友達が捕まえられるとよい
実際に指す相手がいると、だんぜんモチベーションが維持できる
そうはいっても将棋は対人で指すのがいちばん楽しいものです。アプリだけではモチベーションの維持はすごく難しい。オンライン対戦もなんとなく気がひけたりするでしょう。そういうときは一緒に始められそうなひとを捕まえましょう。一緒にやれば長く続けられるというものです。月に一度くらい対局できると、かなり違います。
ぼくは幸運にも、一緒に始める友人を同時にふたりも確保できたのが大きかったです。友人の確保、これがどんなトレーニングよりも難しいかもしれませんが、できそうなら頑張ってみてください。