カジュアルに独習するための棋書を読むコツ
今回はちょっと番外編。棋書・参考書を、カジュアルになるべく挫折せず読むコツをご紹介します。
読むのがダルいかたは、目次の見出しだけ目を通していただければじゅうぶんです。
棋書を読むコツ:4つの「ない」と1+3回読み
4つの「ない」
さて以下に提案するコツは、ひとことでいえば「がんばらない」「雑に読む」ということです。もっと正確にいえば、「がんばるところを間違えない」ということです。
ゆるゆるカジュアルに、力を抜いて身につけるには以下の「4ない」を守るといいと思います。
① 覚えようとしない。
どうせ忘れるんだから最初から「覚えよう!」なんて意気込んではいけません。そんな気持ちでゆっくり読むくらいなら、雑に3周したほうが絶対に定着率がいいです。雑に読みましょう。
② 最初から自分で解こうとしない。
将棋をはじめるときに大事なことがひとつだけあります。
「自分の実力を過信しない」
これだけです。初心者はまず解けないし読めません。ぼくがそうだったのだから間違いないですよ!「いうて解けるやろ」は通用しない!非情なもんだ!
「下手の考え休むに似たり」。基礎体力のないものがいくらないアタマをふったって何も出てきません。まず1回ざっと眺めて、「へー、そうなんだ」と感心してみるところから始めましょう。3周したら勝手に「あー、これはわかるわ」となっています。もう一度申し上げます。雑にやりましょう。
詰将棋や「次の一手」問題なども同様です。30秒だけ眺めます。解けそうなら解いてしまってください。解けそうにないなら、ぼんやりと「こうかな?」とだけアタリをつけましょう。完全に読む必要はありません。そしたら回答解説を読みます。これを繰り返します。
③ 1回で完全に読もうとしない。
言いたいこととしては①②と同じです。あらためて言いたいことは「雑にやれ、そのかわり3回やれ」です。最初から丁寧にノートとろうとかしてませんか!?そんなのは3周目にやればいいんですよ!大枠・概要をまず掴む!それから詳細を掴む!この順番ですよ!逆にしないで!
④ 1回で通読しようとしない。
とりあえず1章だけ読んで、ほかの本を1章読んで、実践を指してみて、戻ってきたらおさらいにもう一度読んでもいいし、先を読んでもいい。これくらいでやるのがいいと思います。
棋書・参考書は1冊の情報量がとんでもなく多いです。無理して通読しようとする必要はありません。気安い量だけ読みましょう。
そのかわり:1冊は1+3回は目を通す
おおかたお話しましたが、棋書の読みかたをあらためてまとめると以下のようになります。
0回目:内容を読まずに見出しだけ読む。最後までページだけめくる
全体の構成をまずみましょう。そうするとなんでここでこの話をしてるのか?が掴みやすくなります。ミステリを読むのではないので、バンバンとネタバレをくらったほうが楽になります。
見出しには結論が書いてあることも多いです。答えだけ先に知ってしまえばおトクですね。
1回目:大枠だけを掴むようにひととおり内容を読む
掴んだ大枠を補強するように本文を読みましょう。細かいことはどうせ忘れるんだから気にしてはいけません。棋譜・手順はなるべく丁寧に並べながら読んだほうがいいとは思いますが、慣れるほうが先なので気にしなくてもいいです。
局面図を眺めるだけでも効果があります。
2回目: もう一度通読し、「そういえばこんなこと書いてあったなあ」を確認する
2度目なら棋譜を並べるのもわりと楽になっているはずです。このへんで本格的に手順を確かめましょう。
3回目:自分でどれだけわかるか、やりながら読んでみる。ノートをつけるならこのあたりで。
おさらい編です。そろそろ頭にも定着しやすい頃合いです。ノートをとるなら今。
以上、参考書を読むときのコツでした。とにかく「方針を大掴みにとらえる」ことが大事です。細かいことは後に回しましょう。そのかわり、何度もやる。そうすると「細かいこと」は後からついてきます。雑でいいので、3回。僕と約束してくださいね。